同志社コリア研究センター

お知らせ

趣意文:

  •  翻訳と連帯、ひとは時空と言語の隔たりを超えて共鳴する。海の底で口をあける「アンコ」と呼ばれて資本の動向にふりまわされた流動的下層労働者は、いわば山猫ストとしての「暴動」をもって社会を動かす力を示した。それは無知な民衆の無分別な抵抗(爆発)ではない。その背後には物質的条件を対象化した知性があり、国境を超えた連帯への希求があった。それは組織化の闘争と弾圧の’70年代を通じて、重層的下請構造のもと分断された階級の内なる民族差別の克服にむけて、草の根の語学教室に受け継がれる。そこで学んだ無名の翻訳パルチザンは、世紀を超えて人知れず無償の翻訳をつづけていた。本企画では、『抗日パルチザン参加者たちの回想記』の翻訳者である鈴木武さんを招き、東京で鈴木さんの翻訳をもとに読書会を主宰している前田年昭さんと場をともにして、民衆史をとらえなおす機会としたい。

日時:2023年09月22日(金)18:00-21:00(17:30開場)
会場:remo / コーポ北加賀屋大阪市住之江区北加賀屋5-4-12
 *地下鉄四つ橋線北加賀屋駅より徒歩5分
参加:無料

ゲスト:

  • 鈴木武さん:1949年、東京生まれ。「寄せ場」の労働者・活動家。釜ヶ崎(大阪)と山谷(東京)を中心に数々の「寄せ場」運動に参加する傍ら、長年ノートを肌身離さず『抗日パルチザン参加者たちの回想記』(朝鮮労働党出版社)12巻の翻訳を手掛ける。2014年にその『特選集』を自主制作した。
  • 前田年昭さん:1954 年、大阪生まれ。和文組版者。組継ぎ本の考案者。1972 年、釜ヶ崎医療を考える会代表、1974 年、労務者渡世編集委員会代表。2008 年『悍【HÀN】』編集人、組版講義第一講ひどいわ、ひどいわ主義批判

ききて:

  • 原口剛(神戸大学大学院人文学研究科准教授)
  • 板垣竜太(同志社大学社会学部教授)

参考:

  • 同志社コリア研究叢書5『翻訳と連帯:ある寄せ場労働者の「抗日パルチザン参加者たちの回想記」翻訳の軌跡』(非売品)
  • 電子版を無料で公開しています: https://do-cks.net/works/publication/korea05/

共催:同志社コリア研究センター釜ヶ崎史料研究会記録と表現とメディアのための組織(remo)
JSPS科研費:基盤研究(B)20H01330 (同志社大学人文研・第9部門研究); 基盤研究(B)22H00910

お問い合わせ:090-6053-7214 / hartak76@gmail.com (原口)