同志社コリア研究センター

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国際シンポジウム「日記からみた東アジアの脱植民地化と冷戦」を開催しました。100名近くの参加のもと、密度の濃い報告と討論がおこなわれました。

日時:2016年3月5日(土) 10:30~17:30
場所:同志社大学今出川キャンパス・良心館305(RY305)
主催:同志社コリア研究センター、高麗大学校民族文化研究院

趣旨

1945年の大日本帝国の敗戦と解体にともない、東アジアは解放、占領、分断、帰還、引揚げ、建国などの激動の時期を再び迎えた。中国の国共内戦、朝鮮戦争などの「熱戦」を経験しながら、東アジアの冷戦秩序が形成されていった。近い未来も見通せない流動的な状況のなかで、人々はどのように生きたのか。この国際シンポジウムは、その歴史を、国や政治団体などをアクターにするというよりは、日記という個人記録(ego-documents)に注目しながら、その時代を生きた諸個人の視点から考えようとする試みである。朝鮮半島に軸足を置きながら、東アジアの脱植民地化と冷戦の経験とはいかなるものだったのかをともに考える。

プログラム

【10:30~10:45 挨拶・趣旨説明】
趣旨説明:板垣 竜太(同志社大学)&鄭昞旭(高麗大学校)

【10:45~12:30 第1セッション】
○太田 修(同志社大学)
朝鮮戦争下のある労働者の生活:二つの社会、恐怖、平和への焦がれ
○板垣 竜太(同志社大学)
リュックのなかの手帖:越北した言語学者・金壽卿の朝鮮戦争と離散家族
○廉仁鎬(ソウル市立大学校)
中国朝鮮族の弁士における北朝鮮「祖国」と南朝鮮「故国」

【13:30~14:40 第2セッション】
○李松順(高麗大学校)
1970年代韓国大衆の政治意識:「反共国民」として生きるということ
○安勝澤(ソウル大学校奎章閣)・李成浩(全北大学校)
開発独裁期の農民の経済的生存戦略:資本主義-小農社会の結合の一端

【14:50~16:00 第3セッション】
○金成姸(延世大学校)
冷戦期に『アンネの日記』を読むということ:読書する個人と他者の発見
○駒込 武(京都大学)
台湾脱植民地化をめぐる隘路:林獻堂にとっての「1945年」

【16:15~17:20 総合討論】

※この国際シンポジウムは「頭脳循環を加速する若手研究者戦略的海外派遣プログラム」の助成を受けた国際共同研究「朝鮮半島と日本を越境する植民地主義および冷戦の文化」の成果の一部である。

日記からみた東アジアの脱植民地化と冷戦